Pythonのインストールと仮想環境の構築方法~コマンドプロンプト~

 本投稿は,Windows PCに対しPythonをインストールする手順に関する投稿です.また,Pythonによる仮想環境を構築する方法に関しても記述します.
 本投稿で使用したPythonのバージョンはv3.13.1です.

目次

  1. Pythonのインストール方法
  2. 仮想環境の利点
  3. 仮想環境の構築方法

1. Pythonのインストール方法

 Pythonは,非営利団体Python Software Foundation(PSE:Pythonソフトウェア財団)によって開発および管理されている.まずPSEによるPython公式サイト[1]から,インストーラをダウンロードする.
 ダウンロードしたインストーラ(本投稿の場合はpython-3.13.1-amd64.exe)を実行する.図1の

  • Install NowまたはCustomaize installation:
    • インストール先のディレクトリや各種設定をデフォルトにするか,自身で設定するかによって,いずれかを選ぶことで,次の画面に進む
  • Use admin privileges when installing py.exe:
    • 管理者権限を用いてPythonのインストールを行う.Windows PC上の他アカウントでもPythonを使用する等の場合は,チェックを入れる
    • 本投稿では,このインストールを行っているWindows PC上のアカウントでのみPythonを使用するため,チェックは不要である
  • Add python.exe to PATH:
    • インストールしたPythonに関するパスを自動設定する.チェックを入れておくこと
図1 Pythonのインストール画面1

  次の画面(図2)では,基本的には図2に示したデフォルトのチェック状態のままで良い.

図2 Pythonのインストール画面2

 さらに次の画面(図3)では,デフォルトのチェック状態に加え「Precompile standard library」にもチェックをしておくと良い.

  • Associate files with Python (requires the ‘py’ launcher):
    • 拡張子が.pyのファイルを,Pythonと関連付ける
    • 図2にて,py launcherのチェックを付けている必要がある
  • Create shortcuts for installed applications:
    • スタートメニューにPythonのショートカットを設ける
  • Add Python to enviroment variables
    • 環境変数にPythonを追加する
  • Precompile standard library:
    • 標準ライブラリをプリコンパイルする
    • Pythonはインタプリタ言語であるため,コード実行時に1行ずつ逐次的にコンパイルしながら実行される.このチェックを入れておくと,実行時に多少の時間短縮に繋がる
  • Customize install location:
    • インストールするディレクトリの設定
図3 Pythonのインストール画面3

 「Install」ボタンを押すと,実際にインストールが開始され,完了である.

2. 仮想環境の利点

 Pythonは,コマンドvenvによって仮想環境を構築することができる.仮想環境を構築することの利点の一例は下記の通りである.

  • 開発プロジェクトごとで異なるそれぞれの開発環境を,区別しながら構築できる(図4)
    • 仮想環境におけるPythonのバージョンは,コマンドvenvを実行したローカル環境のPythonのバージョンとなる
    • 他方,予めローカル環境に複数バージョンのPythonをインストールしておくことで,作成する仮想環境におけるPythonのバージョンを,その中から指定することもできる(方法は後述)
  • 多数の開発プロジェクトを経ても,ローカル環境を汚さずに済む
  • 会社支給のPC(管理者権限なし)など,PCの諸環境の復元などが容易に行えない場合でも,ローカル環境の破壊回避や復元がしやすい

 「Install」ボタンを押すと,実際にインストールが開始され,完了である.

図4 仮想環境のイメージ

3. 仮想環境の構築方法

 Windowsのコマンドプロンプトを用いて,仮想環境を作成する.コマンド入力の例は下記の通りである.

py -m venv D:\pythonDevelop01
  • py:
    • Pythonのコマンドであることを宣言する
  • -m:
    • 後述するモジュール(.pyファイルのこと)を実行する
  • venv:
    • 仮想環境を作成するモジュール
  • 仮想環境を作成するディレクトリ/仮想環境名:
    • 上記のコマンド例では,Dドライブの直下に「pythonDevelop01」というフォルダ(名前は任意)と仮想環境を作成している

 もしローカル環境に複数バージョンのPythonがインストールされている場合,下記のようにコマンド入力することで,仮想環境におけるPythonのバージョンをその中から指定できる

python3.13.1 -m venv pythonDevelop02

 仮想環境の作成ができたら,下記コマンドによって仮想環境をactivate(活性化)する.これにより,仮想環境上にpipコマンドでライブラリをインストールができる(図5).

D:\pythonDevelop01\Scripts\activate
図5 仮想環境をactivateした様子

 コマンドプロンプト上で仮想環境からローカル環境に戻りたい場合は,コマンドdeactivateで非活性化(仮想環境からの離脱)ができる.

deactivate

参考文献

  1. Welcome to Python.org, Python Software Foundation, https://www.python.org/, (参照2025-1-1).