Alienware Aurora R11における水冷ユニット(AIO)の交換

 本投稿は,Alienware Aurora R11における水冷ユニット(AIO)を,THERMALRIGHT社製「AQUA ELITE 120 V3」[1]へ交換した際の内容をまとめた投稿です.
 「AQUA ELITE 120 V3」の購入前や,実際に交換する際に,あったら良かったと筆者自身が感じた内容をまとめています.
 筆者のBIOSのバージョンは,v1.0.24です.

目次

  1. 結論
    • 使用可否:可能
    • 別途購入物の有無:無し
  2. 交換作業時に知っておくと良いこと
    • Alienware Aurora R11の分解方法に関する公式ドキュメント
    • 付属のネジの長さで固定可能
    • ブラケットの取り付け向き

1. 結論

 この第1章では,サードパーティ製のAQUA ELITE 120 V3は,Alienware Aurora R11に使用できるのか.また,固定に用いるネジなど別途購入するものがあるかなどを,交換結果について説明する.
 そして,交換後の動作状況を述べるにあたり,その背景として,筆者がAIOの交換に至ったマシントラブルについても記述する.

  • Alienware Aurora R11に,AQUA ELITE 120 V3は使用可能
  • 冷却自体は機能するが,BIOS・起動時の診断エラーは出る
    • AIOとその冷却自体:Windowsアイドリング状態で,CPU温度50℃~60℃
    • PC起動時の診断「Pre-Boot System Performance Check」が実行・表示され,エラーコード2000-0511に陥る(2000-0511の詳細:Fan – The (CPU FAN) fan failed to respond correctly)
      • 起動時の診断でエラーが表示されても,その後「Continue」ボタンを押下することで,Windowsを起動することが可能
      • あるいは,表示されて間もなくキーボードのescキーを押下すれば,起動時の診断をスキップし,すぐにWindowsを起動することも可能
    • ※「CPU FAN」が指す対象に関して:
      • AWCC[2]やHWiNFO[3]などでPCの各種センサ信号・状態を確認する際,ポンプファンは,CPUのファンとして表示される
      • 起動時の診断の,エラーコード2000-0511の詳細においては,PUMP FAN(AIO構成時のAIOのファン)とCPU FAN(空冷構成時のCPUファン)とは,区別されている
      • マザーボード上の端子においても,PUMP FAN(AIO構成時のAIOのファン)とCPU FAN(空冷構成時のCPUファン)とは,区別されている
    • RedditのDeadly-Prey氏の投稿[4]にて,「AQUA ELITE 120 V3に交換しても,BIOS・起動時の診断のエラーが起きなかった」ことが報告されている.しかし筆者の場合は,上記の通り,2000-0511(CPU FAN)が発生した
      • 他サードパーティ製AIOを用いた者と,2000-0511に対し試みられた対処として,「AIOから伸びるファンの端子のケーブルを,マザーボード上のCPU_FAN端子に接続する」というものがあった.筆者も試したが,改善は見られなかった
  • 背景・交換前の出来事:
    • 2020年10月にAlienware Aurora R11を購入した.AIOは,購入時のまま純正のものを使用していた
    • 以下のトラブルが頻繁に発生するようになった
      • 起動時の診断でエラーコード2000-0511が発生(詳細はPUMP FANの反応なし)し,トップファンが大きな音を立てて高速で回転し出す
      • Windows起動後のアイドリング状態で,CPU温度が100℃
      • ポンプファンの回転数が0RPM
      • これらは,必ずではなく,希にエラーコード2000-0511も起きずCPU温度も正常のまま,PCを起動し使用できることもあった
  • 別途購入する物はない.AQUA ELITE 120 V3に付属のネジで固定できる.また,サーマルグリスも付属している
    • RedditのDeadly-Prey氏の投稿[4]にて,「ブラケットの固定に,延長ネジが必要になるかもしれない」とあるが,付属のネジだけで固定可能である

2. 交換作業時に知っておくと良いこと

 この第2章では,ブラケットの取り付け向きなど,AIOの交換作業時に知っておくと良いことを記述する.また,付属ネジでは,スタンドオフ スペーサーを噛ませたうえでどの程度の長さが固定用に余るのかといった,別途ネジを購入するか否か,作業前・購入時に知っておくと良いことも,合わせて記述する.

 AIOの脱着には,PCケースの左側カバー,上部カバー,右側カバー,メモリ,VRヒートシンクを取り外す必要がある.それらの方法が,公式ドキュメント[5]に写真付きで説明されている

 通常であれば,付属のバックプレートを用いて,バックプレートとAIOでマザーボードを挟むようにして固定する(図1).しかし,Alienware Aurora R11のPCケースは,AIOを固定するための独自のネジ穴がケース一体で備わっており,専用のバックプレートが不要である.

図1 付属するバックプレートと説明書の説明

 ブラケットをスタンドオフ スペーサーと共にマザーボードへ固定する際,固定として残るネジの長さは約3mmである(図2).3mmでも,さらにブラケットにAIOを取り付けても,脱落せずに固定は可能である.

図2 付属ネジにおいて固定に使用できる余りの長さ

 AIOを取り付ける前に,AIOを取り付けるためのブラケットを,取り付けることになる.その際,図3の左図(赤色の枠)と右図(青色の枠)で示したように,ブラケットは2パターンの取り付け方が可能である.
 筆者は,赤色で示した図3の左図の向きでブラケットを取り付けた.理由は,青色で示した図3の右図の向きでブラケットを取り付けた場合,AIOから伸びるホースが,メモリやVRヒートシンクと干渉しかねなかったためである.

図3 ブラケットを取り付ける位置とホースの向き

 赤色で示した図3の左図の向きでブラケットを取り付ける場合,平面上ではコンデンサと干渉するように見える.しかし高さ方向においては,スタンドオフ スペーサによって高さが確保されており,干渉せず取り付けることが可能である(図4).

図4 ブラケットコンデンサは干渉しない様子

 Alienware Aurora R11のマザーボード上には,CPU周辺のファンに対する端子として下記3つがある

  • PUMP_FAN:
    AIO内部にある液体を循環させるための,AIO内部のファンを回転させるファン用のピン
  • TOP_FAN:
    PCケース上部に取り付けるファン用のピン.AIOを用いる場合は,ラジエータを冷やす付属ファンのピンを差す
  • CPU_FAN:
    CPUを空冷する場合のピン.AIOを用いる場合は,使用しないピンである.

 AQUA ELITE 120 V3には,各ファンを回転させるための端子(4ピンのメス)の他に,別売りの機材を使用しRGB点灯させるための単位(3ピンのオス/メス)もある.このRGB点灯用のピンは使用しない.

参考文献

  1. Aqua Elite 120 V3, Thermalright, https://www.thermalright.com/product/aqua-elite-120-v3/, (参照2026-7-19).
  2. Alienware Command Center(AWCC) – ソフトウェアの概要, dell.com, www.dell.com/support/contents/ja-jp/videos/videoplayer/alienware-command-centerawcc-ソフトウェアの概要/6319219721112, (参照2026-7-19).
  3. HWiNFO, Martin Malik and REALiX s.r.o., https://www.hwinfo.com/, (参照2026-7-19).
  4. PSA – Alternative AIO for R11, Reddit, https://www.reddit.com/r/Alienware/comments/1p0s9us/psa_alternative_aio_for_r11/?utm_source=chatgpt.com, (参照2026-7-19).
  5. Alienware Aurora R11 サービスマニュアル, dell.com, https://dl.dell.com/topicspdf/alienware-aurora-r11-desktop_Service-Manual_ja-jp.pdf, (参照2026-7-19).