防犯カメラシステムの自作①~Reolink社製防犯カメラ「RLC-1212A」の挙動確認~
本投稿は,「防犯カメラシステム with Raspberry Pi」(←開発がすべて完了したら「開発物」にページを作成する予定)に関する投稿です.Tipsでの投稿は,内容ごとに分け,下記の通り分割して投稿してゆきます.
①Reolink社製カメラ「RLC-1212A」の挙動確認(本投稿)
②Raspberry PiへのPoE HATのセットアップ
③VPNを用いたリアルタイム映像視聴の環境構築
④クラウドストレージへの動画ファイルの自動アップロード
⑤クラウドストレージへの動画ファイルの自動アップロード+α(予定)
⑥ウォルボックス内環境に対する温湿度センサとファン制御の実装(予定)
本投稿では,「防犯カメラシステム with Raspberry Pi」にて用いる防犯カメラ・Reolink社製 RLC-1212Aにおける,各種挙動や,カメラの映像を家族などと共有する際の方法について,説明します.
目次
- 本投稿で使用するもの
- 防犯カメラRLC-1212の基本機能で可能なこと
- 本機能で可能なこと
- システムの自作を要する例
- 初期設定ですること
- デバイス(カメラ)名およびデバイス内のユーザ設定
- アクティベート
- Webアカウント作成は不要
- 家族等とのカメラの共有
- 挙動の確認
- 動画の画質設定
- 動画に入る音声
- SDカードのフォーマット形式
- アプリから設定できること(一部抜粋)
- 購入時のファームウェア
- 公式ドキュメント
1. 本投稿で使用するもの
筆者が自作しようとしている防犯カメラシステム全体ではなく,本投稿で扱った機材のみを,以下にあげる.
- 防犯カメラ:Reolink社製 RLC-1212A
- micro SDカード 256GB(class10,UHS-1/U3,最大読込100MB/s)
- 防犯カメラに差して使用
- PoEスイッチングハブ:TPLINK社製 TL-SG1005
- LANケーブル×2本
- ルータ―ハブ間と,ハブ―カメラ間の,各接続に使用
- 1本は,防犯カメラRLC-1212Aに付属
- Reolink社のPC用クライアントソフトおよびスマホアプリ[1]
- PC用クライアントソフトのバージョン:v8.21.4
- スマホアプリ(Android)のバージョン:v4.60.1.6.20260612
- PC(Windows)
- スマホ(Android)
2. 防犯カメラRLC-1212の基本機能で可能なこと
初期設定の過程や各種挙動について説明する前に,この第2章では,防犯カメラRLC-1212Aの基本機能で可能なことに関し説明する.
2.1 基本機能で可能なこと
- リアルタイム映像の視聴(外出先など,ネットワーク外からも可能)
- 基本として,ユーザがVPNサーバを立てなくても,カメラへのリモートアクセスが可能
- これは,Reolink社のUID/P2Pサーバ経由で行われる
- リアルタイム映像だけでなく,SDカード上の過去の映像も,スマホアプリ/PC用クライアントソフトから視聴可能
- 検出した物体(人,車,動物,動体)の種類でフィルターをかけ,その物体が含まれる動画だけを抜粋することも可能
- 録画した動画ファイルを,ローカルストレージ(カメラに差したSDカード)に保存
- 動画ファイルは,下記の方法で入手可能
- SDカードからファイルコピー
- PC用クライアントソフトから,SDカード上の動画ファイルのダウンロード
- スマホアプリ/PC用クライアントソフトから手動録画ボタンを押下し,その端末に直接保存
- HTTP通信を許可し非暗号化状態であれば,ブラウザからカメラへのアクセスも可能
- サブスク契約した場合に限り,クラウドストレージへの動画ファイルの保管が可能
- サブスク契約は他にも,リッチな通知,映像に対するAI分析が可能になると謳われている
2.2 システムの自作を要する例
例えば下記に該当する場合は,基本機能では難しく,システムの自作を要する.
- サブスク契約せずに,カメラやSDカードが物理的に破壊された場合の対策がしたい.動画ファイルを守るべく,クラウドストレージ等に動画ファイルを自動でアップロードしたい
- Reolink社など,メーカーサーバを介した通信(動画のアップロード)をしたくない
- 自宅屋外に有線LAN環境がなく,RLC-1212Aへの給電およびネットワークが構築ができない
裏を返せば,これらに該当しなければ,システムを自作せずにRLC-1212Aを購入するだけで,簡便に防犯カメラの環境を構築できる.
3. 初期設定ですること
筆者が,初回起動時にスマホアプリで行った内容を,順を追って説明する.
3.1 デバイス(カメラ)名およびデバイス内のユーザ設定
- デバイス名
- 管理者名:”admin” で固定
- 以降で,新たに管理者/ユーザの追加が可能
- この管理者のパスワード
3.2 アクティベート
アクティベートには,「メールアドレス」と「購入先」(Amazonなど)の情報が必要なる.アクティベートを行う利点は,下記2点である.
- 保証期間6ヶ月の追加
- (保証対応における)無料交換と優先サポート
3.1節および3.2節のこれら設定を完了すると,QRコードが表示される.このQRコードは,デバイスの共有・追加などに使用する.このQRコードは,アプリの「当該デバイス>設定>Share Decice」から再表示できる.
3.3 Webアカウント作成は不要
Webアカウントが必要となる行為は,サブスク契約と,公式ストアでの購入だけである.本カメラを運用するだけの場合は,Webアカウントの作成は不要である.
4. 家族等とのカメラの共有
Webアカウントとは異なるものとして,3.1節で説明した,デバイス(カメラ)における管理者/ユーザを用いて,家族等とのカメラ映像の共有が可能である.管理者/ユーザの新規作成から共有までの手順は,下記の通りである.
- アプリ上で「設定>詳細設定>ユーザー管理」から,新たな管理者/ユーザとそのパスワード作成する
- 家族等のスマホに,アプリをインストールし,起動する
- 同一LAN内でアプリを起動すると,自動でデバイスが追加される
- 該当デバイスにログインする際に,上記1で作成した,その家族等のために作成した管理者/ユーザでログインする
管理者とユーザの違いとして,ユーザの特徴を以下に挙げる.
- ユーザは,カメラへのアクセスや,自身のパスワードの変更が可能である
- ユーザは,カメラの各設定はできない
- プッシュ通知のON/OFFは,管理者/ユーザごとに可能である.つまり管理者/ユーザを分けていれば,各々のスマホで,物体検知時のプッシュ通知設定を分けることが可能である
5. 挙動の確認
5.1 動画の画質設定
本カメラには,”鮮明” と ”流暢” の2種類の画質設定がある.それぞれに対し,いくるかある選択肢の中からパラメータ設定ができる(表1).PCクライアント用ソフトにのみ,「アイフレーム間隔」の項目があった.
また,設定項目は無かったが,オーディオに関する各パラメータに関し,”鮮明” および “流暢” それぞれの設定で作成した動画ファイルから,筆者が実地に確認した結果も,表1に掲載する.
| 設定項目 | 鮮明 | 流暢 |
| 解像度[px] | 4,512×2,512 / 3,840×2,160 / 2,560×1,440 / 2,304×1,296 | 896×512 |
| フレームレート[fps] | 25 / 22/ 20 / 18 / 16 / 15 / 12 / 10 / 8 / 6 / 4 / 2 | 20 / 15 / 10 / 7 / 4 |
| 最大のビットレート[kbps] | 8,192 / 7,168 / 6,144 / 5,120 / 4,096 | 1,228 / 1,024 / 768 / 512 / 384 / 256 / 128 |
| アイフレーム間隔 |
1x / 2x | 1x / 2x / 3x / 4x |
| オーディオ(設定項目なし) | ||
| ビットレート[kbps] | 65~72 | 63~64 |
| チャンネル | 1(モノラル) | 1(モノラル) |
| サンプルレート[kHz] | 16 | 16 |
SDカードに記録される動画ファイルの画質設定は,PC用クライアントソフトから ”鮮明” を設定する必要があった.スマホアプリの,カメラ映像を視聴している状態で鮮明/流暢を切り替えても,スマホ上で視聴するストリーム映像や,そのスマホに手動で録画保存する動画の画質が変わるだけで,SDカードに自動で録画される動画の画質は変わらなかった.
5.2 動画に入る音声
- カメラのマイクが拾った音のみ
- アプリを介してユーザが発した声=カメラのスピーカから発せられたユーザの声は,動画には入らない
5.3 SDカードのフォーマット形式
SDカードは,カメラに差し,アプリから初期設定をする際に,フォーマットされる.購入したばかりのSDカード(eFAT形式)を差したところフォーマットを促され,FAT形式になった.
SDカードがカメラに差さっていなくとも,カメラの起動やスマホアプリ/PC用クライアントソフトからのリアルタイム映像の視聴は可能である.
5.4 アプリから設定できること(一部抜粋)
- カメラのマイクが捉えた音声を動画に含めるか否か
- SDカードに録画したものを上書きするか否か
- 自動録画の条件設定
- 特定の時間帯かつ、任意の種類の物体を検知したとき
- 検知後に録画を何秒間継続するか
- 物体の種類:人,車,動物,動体
- 特定の時間帯に連続で録画し続ける
- 特定の時間帯かつ、任意の種類の物体を検知したとき
- 物体を検知した際のプッシュ通知/メール通知の設定
- メール通知は,送信者のアドレスと,受信者のアドレス(複数設定可)を設定できる
- FTPアップロード
- HTTP通信のON/OFF
- HTTPをONにすれば,ブラウザから管理者/ユーザでログインし,視聴や設定変更が可能
5.5 購入時のファームウェア
2026年7月に購入したRLC-1212Aのファームウェアのバージョンは,v3.1.0.2174_23050815(June 5, 2023)であった.結論として,このバージョンを維持することが望ましいと筆者は判断した.その理由は以下の通りである.
- Webサイト上には,より最新のバージョンv3.1.0.5036_2509040629(Sept. 4, 2025)が公開されている
- しかし,スマホアプリ上では,v3.1.0.2174_23050815(June 5, 2023)の状態で最新のバージョンと見なされる
- フェームウェアのバージョンに関し,RedditにおけるInevitable_Guh氏の投稿[2]では,より最新のバージョンv3.1.0.5036_2509040629(Sept. 4, 2025)に対する不具合が報告されている.そして,v3.1.0.2174_23050815(June 5, 2023)にダウングレードすることで解決している.また,Reolink社にもサポートチケットを出して不具合の報告をしていることと,しかしすぐに保証申請に回され技術的な解決には進まないことが述べられている
- これらのことから,Reolink社もこの不具合は認知している可能性と,そのうえで,不具合のない比較的に古いバージョンのv3.1.0.2174_23050815(June 5, 2023)を最新とする対応をとった可能性が窺える
6. 公式ドキュメント
防犯カメラシステムの開発をするうえで,あとあと参照することがありそうな公式ドキュメントを,メモとしてここに記載しておく.
参考文献
- App & Client – Reolink, Reolink, https://reolink.com/software-and-manual/, (参照2026-7-25).
- RLC-1212A stuttering RTSP stream, Reddit, https://www.reddit.com/r/reolinkcam/comments/1rcqlqk/rlc1212a_stuttering_rtsp_stream/?show=original, (参照2026-7-25).
- RLC-1212A/RLC-1224A – Reolink Support, Reolink, https://support.reolink.com/c/rlc-1212a-rlc-1224a/?search=RLC-1212A, (参照2026-7-25).
- WELCOME TO THE OFFICIAL REOLINK SUBREDDIT, PLEASE READ THIS BEFORE POSTING (FAQ AND USEFUL LINKS INSIDE), Reddit, https://www.reddit.com/r/reolinkcam/comments/133vod7/comment/jibhv8b/, (参照2026-7-25).
- How to Install Waterproof Lid, Reolink, https://support.reolink.com/articles/900007035723-How-to-Install-Waterproof-Lid/, (参照2026-7-25).